更新日:2026年8月13日|カテゴリ:HDD・SSD・ストレージ選び
本記事の価格データは AKIBA PC Hotline!の相場調査・価格.com・メーカー公式発表にもとづくもので、容量帯の判断は広告報酬の多寡ではなく、公表データと技術的根拠にもとづいて示しています。
「去年のつもりで見積もったら、HDDだけで2万円以上高くなっていた」——2026年のNAS購入・増設では、これが普通に起きています。数字にすると、WD Red Plus 6TBは秋葉原最安で24,200円(1月10日)→41,800円(7月18日)=1本あたり+17,600円。RAID1で2本そろえるなら、HDDだけで3万円以上の差です。
ただし、2026年8月2日に価格を調べ直したところ、上がり続ける局面は7月下旬でいったん止まっていました。同じWD Red Plus 6TBは7月23日の48,620円をピークに、7月27日以降は40,980円で横ばいです(価格.com最安・当サイト調べ)。
とはいえ「HDDが下がり始めた」と一括りにはできません。8TBは7月24日以降49,980円で高止まり、Seagate IronWolf 6TBはむしろ8月1日に上がりました。銘柄と容量で動きがバラバラになった、というのが今の実勢です。
NAS本体の価格はここまで動いていません。異常な動きをしているのはHDD側です。しかも、よく言われる「SSD(NANDフラッシュ)の高騰」とは原因がまったく別物です。
この記事では、秋葉原の最安値調査やメーカー公式資料といった一次寄りの情報だけを使って、どれだけ上がったのか/なぜ上がったのか/どの容量を選べば損しにくいのかを整理します。どの製品を買うかという選定はNAS用HDDのおすすめ比較にまとめてあるので、この記事は「いつ・いくらで買うか」に絞ります。
この記事の結論(2026年8月2日時点)
- 一本調子の値上がりは7月下旬でいったん止まりました。WD Red Plus 6TBは7月23日の48,620円をピークに、7月27日以降40,980円で横ばい(ピーク比 -15.7%)
- ただし全面下落ではありません。WD 8TBは49,980円で高止まり、IronWolf 6TBは8月1日に上昇。下落トレンド入りしたと言える材料は、当サイトが確認した範囲ではありません
- 半年で見れば依然として高い水準です(WD Red Plus 6TBは秋葉原最安で24,200円〔1月10日〕→41,800円〔7月18日〕=+72.7%、8TBは+52.1%)
- 原因はSSDの高騰とは別。AIデータセンター向けの大容量HDDに生産枠が移り、家庭向けの安い在庫から消えた
- HDD全体の出荷台数はほぼ横ばいなのに、データセンター向けだけが増えている(総量が増えないまま配分が動いた)
- 買うなら8TB以上が容量あたり単価で有利(8TB 6,250円/TB に対し6TBは6,833円/TB)。予算優先なら4TB×2も選択肢で、4TBで最も安いのはIronWolfの27,000円
- 安いBarraCuda 4TB/8TBはSMRなのでNAS常用は非推奨(Seagate公式一覧で確認)
- 買わずに時間を稼ぐ具体策(棚卸し・一時退避・予兆監視)はHDDが高くて買えないときの選択肢へ
2026年8月時点の価格スナップショット
価格調査日:2026年8月2日/この節の数値は月1回を目安に見直しています。以降の節(値上がりの構造・容量の選び方)は時期を問わず読める内容です。
いま買うといくらか(執筆時点の実勢)
まず、NAS用HDDとして定番の3シリーズの実勢価格です。いずれも1本あたり・税込・執筆時点の代表値で、在庫状況によって上下します。
| 製品 | 4TB | 6TB | 8TB |
|---|---|---|---|
| WD Red Plus | 32,500円 | 41,000円 | 50,000円 |
| Seagate IronWolf | 27,000円 | 41,000円 | 49,000円 |
| 東芝N300 | 30,000円 | – | – |
4TBは銘柄で5,500円の差がつきました。7月25日時点では3シリーズとも3万円前後で横並びでしたが、8月2日時点ではIronWolfが最も安く、WD Red Plusが最も高いという並びに変わっています。同じ4TBでも、銘柄を変えるだけで5,500円動くのが今の状態です。6TBはWDとIronWolfがほぼ同額、8TBは1,000円差で、上の容量帯ほど銘柄差は小さくなります。
価格.comの掲載店・パソコン工房・ドスパラ・TSUKUMO等の在庫を当サイトが1件ずつ確認した代表値です。1店だけの最安値ではなく、複数店で在庫を持っている価格帯を採っています。本記事に載せた価格タグのうち最も古い確認日は2026年7月28日(NAS本体1点のみ)で、上表の7商品と後述のSynology HAT3300 4TBは2026年8月2日に再確認しました。表中の「–」は当サイトが現在価格を追えていない容量帯という意味で、未発売ではありません。
7月下旬に何が起きたか(銘柄と容量で動きが割れた)
2026年8月2日に、価格.comの各製品「価格推移グラフ」と掲載店の在庫を当サイトで1件ずつ確認しました。結果は一言でまとめられません。
| 製品 | 7月の動き | 8月2日に確認した最安 | 直近の判定 |
|---|---|---|---|
| WD Red Plus 6TB(WD60EFPX) | 7月9日 33,370円 → 7月23日 48,620円(ピーク) | 40,980円(7月27日以降横ばい) | ピーク比 -15.7% |
| WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ) | 7月3日 25,971円 → 7月18日 35,200円(ピーク) | 32,500円(7月28日以降横ばい) | 頭打ち(7月3日比では+25%) |
| WD Red Plus 8TB(WD80EFPX) | 7月3日 46,500円 → 7月22日 46,980円 | 49,980円(7月24日以降横ばい) | 高止まり |
| IronWolf 4TB(ST4000VN006) | 26,980円と29,980円を往復 | 26,980円(8月1日) | そもそも高騰していない |
| IronWolf 6TB(ST6000VN006) | 7月26〜31日 38,660円 | 40,980円(8月1日) | まだ上がっている |
| IronWolf 8TB(ST8000VN002) | 7月8〜31日 46,979円 | 48,780円(8月1日) | 微増・高止まり |
| 東芝N300 4TB | 箱入りが7月22日 29,800円 → 7月28日以降 41,800円 | バルク29,980円/箱入り41,800円 | 二極化 |
| Synology HAT3300 4TB | 7月10日まで47,200円 → 7月13日 41,800円 | 39,980円(7月30日以降) | じわ下げ |
価格.comの価格推移グラフと各ショップの在庫表示を当サイトが2026年8月2日に確認した最安値です。前掲の実勢表(複数店で買える価格帯の代表値)とは採り方が違うため、数百〜数千円ずれます。次節で使う秋葉原ショップ最安値(AKIBA PC Hotline!の調査)とも調査対象の店が違うため、同じ日でも数千円の開きが出ます。最安値は1店の在庫で決まるので、日によって入れ替わります。
読み取れることは3つです。
1. 一本調子の値上がりは、7月下旬でいったん止まりました。象徴的なのがWD Red Plus 6TBで、7月9日の33,370円から2週間で48,620円(+45.7%)まで駆け上がった分を、その後の4日間で40,980円まで戻しました。そこから8月1日まで6日間、1円も動いていません。
2. ただし「HDDが下がり始めた」とは書けません。同じWDでも8TBは7月24日以降49,980円で高止まり、IronWolf 6TBにいたっては8月1日に上がっています。下げているのはWDの4TB・6TBとSynology純正で、8TB帯は下げていません。全体が下落トレンドに入ったと言える材料は、当サイトが確認した範囲ではありません。
3. 横ばいの期間は、まだ5〜9日です。(4TB 5日/6TB 6日/8TB 9日・いずれも8月1日時点)これを「底」と呼ぶには短すぎます。当サイトは「今が買い時」とも「待てば下がる」とも言えません。事実として言えるのは、7月中旬までのような毎週上がっていく局面ではなくなった、というところまでです。
半年でどれだけ上がったのか
次が本題です。秋葉原のショップ最安値を定期的に追っている AKIBA PC Hotline!「HDD価格の月次動向レポート」から、WD Red Plusの推移を並べます。過去の日付つきの数値なので、以下は記録としてそのまま固定しています。
| 調査日 | 2TB | 4TB | 6TB | 8TB | 12TB |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年1月10日 | – | – | 24,200円 | 31,350円 | 54,780円 |
| 2026年5月23日 | – | 23,980円 | 33,980円 | 38,000円 | 59,500円 |
| 2026年6月20日 | – | – | 33,480円 | 43,980円 | 66,980円 |
| 2026年7月18日 | 22,580円 | 29,980円 | 41,800円 | 47,690円 | 69,000円 |
上昇率にすると、こうなります。
| 容量 | 起点 | 2026年7月18日 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| 6TB(WD60EFPX) | 24,200円(1月10日) | 41,800円 | +72.7% |
| 8TB(WD80EFPX) | 31,350円(1月10日) | 47,690円 | +52.1% |
| 12TB(WD120EFGX) | 54,780円(1月10日) | 69,000円 | +26.0% |
| 4TB(WD40EFZZ) | 23,980円(5月23日) | 29,980円 | +25.0%(約2か月) |
出典:AKIBA PC Hotline! 相場調査 2026年1月14日公開/同 5月27日公開/同 6月24日公開/同 7月22日公開(調査期間 7月11日〜18日)。4TBは1月号に掲載がないため5月23日を起点としています。
他社も同じ方向です。Seagate IronWolf 8TB(ST8000VN002)は33,779円(1月10日)から48,736円(7月18日)へ+44.3%。ただしこちらは月ごとに±8,000〜9,000円の上下動を繰り返しており、「毎月じわじわ」ではなく在庫が切れると跳ね、入荷すると戻るという動き方をしています。
東芝N300はさらに急で、18TBが79,800円(7月4日調査)→94,800円(7月18日調査)と2週間で+18.8%。同レポートの7月8日公開号は「一層の品薄化」と表現しており、この号では24TBが品切れでした。
出典:AKIBA PC Hotline! 2026年7月8日公開号(調査期間 6月27日〜7月4日)
「値札が上がった」のではなく「安い店から在庫が消えた」
体感に近いのは、この言い方だと思います。8月2日に4TBクラスの掲載店数と在庫を1件ずつ確認したところ、同じ「WD Red Plus 4TB」でも、買える型番が入れ替わっていました。
| 型番(いずれも4TB) | 2026年8月2日に確認した状況 |
|---|---|
| WD40EFPX(Red Plus・キャッシュ256MB) | 価格.comの掲載が0店。当サイトが確認した範囲(価格.com掲載店・ツクモ・ドスパラ)では在庫が見つからず、主要通販では実質的に入手困難です。ツクモ38,500円・ドスパラ20,080円の表示は残っていますが、どちらも在庫なしのまま据え置かれた値です |
| WD40EFZZ(Red Plus・キャッシュ128MB・CMR・5400rpm) | 掲載20店超で在庫あり。Amazon 29,300円、複数店で32,500円前後。いま「WD Red Plus 4TB」として買えるのはこちら |
| ST4000VN006(IronWolf) | 掲載13店・うち3店が在庫あり、最安26,980円。4TBでは最も安く手に入ります |
| HDWG740UZSVC(東芝N300・バルク) | パソコン工房29,980円が当日出荷の在庫あり |
| N300A04-HDWG740UZSVC(東芝N300・箱入り) | 掲載が3店まで減り、7月22日29,800円 → 7月28日以降41,800円(+40%) |
価格.comの掲載店数・在庫表示と、各ショップの通販ページを当サイトが2026年8月2日に1件ずつ確認した結果です。在庫は時間単位で動くため、購入時はご自身でもご確認ください。
前回(7月25日)の記述を訂正します。当サイトは前回「WD Red Plus 4TBは価格.comの掲載が2店のみで、どちらも在庫なし」と書きました。この2店はWD40EFPX(キャッシュ256MB)のもので、その型番についてはいまも品切れです。ただしこの書き方だと「Red Plusの4TBはもう買えない」と読めてしまいます。実際には同じRed Plusシリーズのキャッシュ128MB版・WD40EFZZが20店超で在庫を持っており、買える型番に置き換わっただけでした。IronWolf 4TBについても「在庫切れ」と書きましたが、8月2日時点では3店が在庫を持っています。
WD Red PlusはシリーズとしてCMRなので、EFPXとEFZZのどちらでもNAS用途で困ることはありません。ただし型番まで見ないと「同じ商品の価格が乱高下している」ように見えます。20,080円(買えない)と38,500円(買えない)と32,500円(買える)が同じ「WD Red Plus 4TB」として並んでいるのが、いまの検索結果です。
東芝N300 4TBの二極化も同じ現象です。バルク品は29,980円で在庫があるのに、価格.comに登録された箱入りのN300A04は掲載が3店まで減り、41,800円まで上がりました。安い在庫から順に消え、残った在庫の値札だけが見えている——これが「HDDが高い」の中身の一部です。
つまり「最安値」として表示されている数字が、もう買えない店の売り切れ表示であるケースが増えています。価格.comの最安値だけを見て予算を組むと、実際にカートに入れられる価格との差でつまずきかねません。購入前に、その店舗ページで型番と在庫表示まで確認するのが2026年の必須動作です。
なぜ上がっているのか(SSDの高騰とは原因が違う)
ここが記事の核心です。「AIのせい」で終わらせず、何がどう動いたのかを順番に見ます。急ぐ方向けに、先に3行でまとめます。
- AIデータセンターの需要で、ニアラインHDDの納期が52週超まで延びた
- メーカーは工場を増やしておらず、台数ベースの生産能力を増やしていない
- HDD全体の出荷台数は横ばいのまま、配分だけがデータセンター向けへ動いた
なお、SSD(NANDフラッシュ)の高騰とHDDの高騰は、原因も供給構造も別物です。今回の調査ではNAND価格がHDD価格を押し上げたという一次情報は確認できませんでした。SSD側の事情はNAS用HDDとSSDの比較で別途扱っています。
AI向け「ニアラインHDD」の待ち時間が52週超になった
引き金はデータセンターです。調査会社TrendForceは2025年9月15日の発表で、データセンター向けニアラインHDDのリードタイム(納期の待ち時間)について「数週間から52週超に膨れ上がった」と説明しました。あわせて「HDDメーカーはここ数年、生産能力を拡大していない」とも指摘しています。
出典:TrendForce プレスリリース(2025年9月15日)。同リリースにHDDの価格数値は含まれていません(掲載されている価格予測はエンタープライズSSDのものです)。
AIの学習・推論で生まれた大量のデータを安く保存する先として、HDDの需要が跳ね上がった——というのが出発点です。
メーカーは「台数」を増やしていない
重要なのは、メーカーが減産したわけではないという点です。実態は「増やしていない」です。
Western Digitalのアービング・タンCEOは2025年10月31日の四半期決算説明で「we are not adding any unit capacity to our portfolio right now(現時点でポートフォリオに台数ベースの生産能力を追加していない)」と述べたと報じられています。同四半期の出荷容量は204EB(1EB=100万TB)で、前年同期比+23%でした。
出典:Blocks & Files(2025年10月31日)。発言は決算説明会でのもので、当サイトが確認できたのは専門メディア経由の引用です(原典のトランスクリプトは未確認)。
新しい工場を建てるのではなく、1台あたりの容量を上げて需要に応える——というのが業界の基本戦略です。その結果、台数は増えないまま、限られた枠の取り合いになります。
総量は横ばいなのに、配分だけがデータセンターへ動いた
この記事でいちばんお伝えしたい数字です。PC Watchの連載「福田昭のセミコン業界最前線」(2026年4月28日公開)が、テクノ・システム・リサーチと日本HDD協会の資料をもとに次のデータを紹介しています。
| 指標 | 2024年(実績) | 2025年(実績) |
|---|---|---|
| HDD全体の出荷台数 | 1億2,390万台 | 1億2,375万台(ほぼ横ばい) |
| ニアライン(データセンター向け) | 5,846万台 | 6,762万台(+916万台) |
| 3.5型ATA(コンシューマ系) | 3,573万台 | 3,094万台(-479万台) |
| 出荷金額に占めるニアライン比率 | 79.8% | 85.6% |
出典:PC Watch「福田昭のセミコン業界最前線」(2026年4月28日公開)。出典元はテクノ・システム・リサーチ/日本HDD協会の2026年4月セミナー資料。なお、NAS用HDDがこの統計分類のどこに含まれるかは資料からは特定できないため、断定は避けています。
パイ全体は増えていません。増えたのはデータセンター向けの取り分だけで、その分コンシューマ系が減っています。「AIがHDDを食べている」のではなく、「同じ量のHDDの配り先が変わった」というのが数字で見える形です。
では、NAS用HDDはこの配分変化の外側にいられるのか。 WD Red Plus・IronWolf・東芝N300は、ニアラインHDDと同じメーカーの同じ3.5型の製造ラインで、同じプラッタとヘッドを分け合って作られる製品です。だからこそ、前節のWD CEOの「台数ベースの生産能力は追加していない」という発言が効いてきます。統計上どの分類に計上されるかは特定できませんが、枠を奪い合う相手が同じであることは、メーカー自身の説明から言えます。家庭用NASの棚に並ぶHDDが減り、値札が上がるのは、この配分変化の下流で起きている出来事だと考えられます。
生産枠は長期契約で先まで押さえられている
Seagateは2026年1月時点で「ニアラインの生産能力は2026年分がすべて割り当て済みで、2027年上半期分の受注が今後数か月で始まる」と説明しています。大手クラウド事業者との長期契約により2027年までの需要見通しを確保しており、2028年の増加計画についても複数顧客と協議中、としています。
生産枠の説明はTrendForce(2026年1月28日)、売上高は各社の公式リリースによります。出典:TrendForce(2026年1月28日)/Seagate FY26 Q3 決算リリース(2026年4月28日発表)/Western Digital FY26 Q3 決算リリース(2026年4月30日発表)
両社とも2026年4月発表の四半期決算(FY26 Q3)で、売上が前年同期比40%超の増加でした。作れば売れる状態で、なおかつ売り先が先まで決まっている——この状況で、家庭向けの安いモデルに枠が回る理由はありません。
AIだけが理由ではない
「全部AIのせい」と片づけると見落とします。日本経済新聞は2026年6月12日、HDDの大口取引価格が4〜6月期に前四半期比で10%高くなったと報じ、その背景として「中国のPC向けの需要が好調」であることと、「HDDメーカーがデータセンター向けの生産を優先し汎用的な製品が品薄になっている」ことを挙げています。
出典:日本経済新聞(2026年6月12日)(会員限定記事のため、当サイトが確認できたのはリード部分のみです)
加えて、HDDはドル建てで調達される輸入品です。2026年7月下旬の円相場は1ドル160円台で推移しており、円建て価格には逆風になります。ただし「円安が何%押し上げた」と定量的に言える根拠は持っていないため、要因のひとつとして挙げるにとどめます。
で、いつ買えばいいのか
ここからは見通しの話になります。確定していることとあくまで予測であることを分けて読んでください。
確定していること:一本調子の上昇は7月下旬で止まった(ただし全面下落ではない)
この記事に多く届く検索が「HDDの高騰はいつまで続くのか」です。2026年8月2日時点の当サイトの答えは、次のとおりです。
一本調子の高騰は7月下旬で止まりました。ただし下落トレンドに入ったという確証はありません。
- 止まった側の事実:WD Red Plus 6TBは7月23日の48,620円から7月27日に40,980円へ下げ、6日間横ばい。4TB(WD40EFZZ)も7月18日の35,200円から32,500円で頭打ち。Synology純正のHAT3300 4TBも47,200円→39,980円とじわ下げ
- 止まっていない側の事実:WD Red Plus 8TBは7月24日以降49,980円で高止まり、IronWolf 6TBは8月1日に40,980円へ上昇、IronWolf 8TBも8月1日に+1,801円
- したがって「HDDが下がり始めた」と一般化はできません。下げているのは一部の銘柄・容量です
- 横ばいの期間はまだ5〜9日で、底かどうかを判断できる長さではありません
- 価格の最終確認:HDD各種は2026年8月2日(本記事の価格タグのうち最も古い確認日は2026年7月28日=NAS本体1点)。相場の動きが速いので、購入前にご自身で最新価格をご確認ください
前章で見た供給の構造は、7月から何も変わっていません。にもかかわらず値札が下がった銘柄があるのは、構造ではなく在庫の巡りで説明できる範囲の動きだからです。7月中旬は「安い店から在庫が消えて最安値が跳ねた」局面で、7月下旬は「在庫が戻って最安値が落ち着いた」局面——そう読むのが、当サイトが確認できたデータに最も近い解釈です。だとすれば、次に在庫が薄くなればまた跳ねます。
確定していること:バッファローが8月3日に希望小売価格を改定(対象は同社製品)
バッファローは2026年7月23日、105型番の希望小売価格を改定すると発表しました。対象は外付HDD・ポータブルHDD・内蔵/交換用HDD・NAS・Wi-Fiルーターなど。改定日は2026年8月3日、改定率は5.8%〜42.5%です。同社は2026年6月1日にも改定を実施しており、今回が2回目になります。
出典:バッファロー 価格改定のお知らせ(2026年7月23日発表)。改定率は同社の公式表記に合わせています。なお同社は改定理由を明記していません。
I-O DATAも2026年1月14日付で165型番(改定率2.8%〜54.8%)、7月1日付で98型番の価格を改定しました。1月の改定について同社は「原材料価格、エネルギー、物流などの関連費用の高騰が長期に継続している」ことを理由に挙げ、現価格の維持が困難になったと説明しています。
出典:I-O DATA 価格改定のお知らせ(2025年12月10日発表・2026年1月14日実施)/同社2026年の価格改定一覧
まず、この改定が効くのは「バッファロー製品を買う人」だけです
改定対象はバッファローの105型番です。この記事で扱っているWD・Seagate・東芝の内蔵HDD単体の店頭価格が、8月3日に連動して動くわけではありません(内蔵HDDは為替と流通在庫で日々動きます)。LinkStation・TeraStationや外付HDDを検討中の方にだけ効く日付として扱ってください。
そのうえで、希望小売価格の改定=実売価格が必ず同じだけ上がる、でもありません
改定されるのはメーカー希望小売価格です。店頭の実売価格は在庫や競合状況で決まるため、8月3日に一斉に上がるとは限りません。「締切があるから今すぐ買え」ではなく、すでに買うと決めている人にとっては、日付が判明している数少ない材料として扱うのが妥当です。
予測であること:不足は2027〜2028年まで続くという見立て
米モルガン・スタンレーは2026年6月15日付のレポートで、HDDの需給逼迫が「少なくとも2028年まで」続くと予測しています。報道によれば、需要が年40〜50%のペース(台数ではなく容量ベース)で伸びるのに対し供給の伸びは30〜35%にとどまり、この差が不足の要因だとしています。供給不足の規模(エクサバイト数)は報道によって数値が食い違うため、当サイトでは採用しません。
この予測の読み違いに注意
これは証券会社が投資家向けに出した、データセンター向けHDDの需給見通しです。家庭用NAS向けHDDの店頭価格が2028年まで下がらない、という予測ではありません。当サイトも「2028年まで高いままです」とは書けません。
出典:報道経由(Yahoo Finance / Investing.com 2026年6月16日)。原レポートは非公開で、当サイトは直接確認していません。
供給側の増強も動いてはいます。TrendForceが2026年7月22日に報じた内容は、次の3点です。
- レゾナック:磁気記録メディアの年産を1.6億枚から2.1億枚へ増強中
- HOYA:ベトナムに約500億円を投じてガラス基板の新工場を建設予定(2028年稼働予定)
- TDK:HDDヘッドの生産能力の拡大を表明
出典:TrendForce(2026年7月22日)。各社の一次リリースは未確認です。
読み方はシンプルです。部材の増強は始まっているが、効いてくるのは数年先。2026年内に供給が緩む材料にはなりません。
結論:状況で答えが変わります
| あなたの状況 | 判断の目安 | 次にやること |
|---|---|---|
| 今すぐ容量が必要(空き容量が逼迫・NAS導入予定が決まっている) | 待つ根拠が弱いので、買うなら容量帯を間違えないことに集中する | 下の買うなら、いまは8TB以上が合理的で容量帯を決め、型番はNAS用HDDのおすすめ比較で確認 |
| 既存NASが問題なく動いていて、増設は「そろそろ」程度 | 急ぐ必要はない。まず棚卸しと空きベイの確認で時間を稼ぐ | 買わずに時間を稼ぐ3つの手を実行し、この記事をブックマークして次の相場更新(月1回)で再判断 |
| 故障したHDDの交換 | 選択の余地なし。RAIDが縮退している(1本壊れて予備がない)状態は放置しない | 同容量帯・CMRの1本を最短で確保。在庫のある型番はNAS用HDDのおすすめ比較、記録方式の確認はCMRとSMRの違いへ |
RAIDが縮退したまま運用を続けると、リビルド(再構築)前にもう1本が壊れた時点でデータを失います。値上がりを理由に交換を先延ばしにする判断だけは、金額に見合いません。
正直に書くと、「今が底です」とも「まだ天井ではありません」とも、当サイトは言えません。7月下旬に上昇が止まった銘柄があるのは事実、8TB帯が高止まりしているのも事実で、どちらか一方だけを取り出せば都合のよい結論はいくらでも作れてしまいます。相場を当てにいくより、上の分岐で「自分がどの状況か」を決めるほうが確実です。
買うなら、いまは8TB以上が合理的
値上がりを前提にすると、「どの容量を買うか」の答えが変わります。
容量あたり単価で見ると、8TB以上でプラトーに入る
2026年7月18日時点の秋葉原最安値から、当サイトで容量あたり単価(円/TB)を算出しました(1円未満四捨五入)。
| 容量 | WD Red Plus | Seagate IronWolf | 東芝N300 |
|---|---|---|---|
| 2TB | 11,290円/TB | – | – |
| 4TB | 7,495円/TB | 6,745円/TB | – |
| 6TB | 6,967円/TB | 6,467円/TB | – |
| 8TB | 5,961円/TB | 6,092円/TB | 5,475円/TB |
| 12TB | 5,750円/TB | – | 5,415円/TB |
| 18TB | – | – | 5,267円/TB |
上表はAKIBA PC Hotline! 2026年7月22日公開号(調査期間 7月11日〜18日)の最安値をもとに当サイトが計算した値で、出典記事に掲載されている数値ではありません。銘柄どうしの単価の優劣は調査時点で入れ替わります(前掲の実勢表とは調査日も出所も違います)。ここで判断していただきたいのは銘柄ではなく容量帯です。
読み取れることは3つです。
1. 2TB・4TBが極端に割高になった(7月18日時点)。 2TBは8TBの約1.9倍の単価です。「とりあえず小さく買う」が損をしやすいのは変わりませんが、4TBについては8月2日の実勢で評価が変わりました(すぐ下の再計算をご覧ください)。
2. 8TB以上で、おおむね5,000〜6,000円台/TBのプラトーに入る。 8TB→12TB→18TBの単価改善はゆるやかです。つまり8TBまで上げれば、そこから先の「もっと大きく買う」お得感は薄いといえます。
3. 6TBが中途半端な位置に落ちた。 かつては4TBとの価格差が小さくお買い得でしたが、7月18日時点では6TB(6,967円/TB)と8TB(5,961円/TB)の差が開いています。予算が届くなら8TBです。
参考までに、2026年1月10日のWD Red Plus 8TBは31,350円=3,919円/TBでした。半年で単価が5割増しです。「HDDの容量単価は毎年下がる」という前提は、少なくとも今は成り立っていません。
8月2日の実勢で計算し直しても、結論は変わりません
上の表は7月18日の秋葉原最安値がもとです。7月下旬に相場が動いたので、前掲の実勢価格(複数店で買える代表値)でも計算し直しました。
| 容量 | WD Red Plus | Seagate IronWolf | 東芝N300 |
|---|---|---|---|
| 4TB | 8,125円/TB | 6,750円/TB | 7,500円/TB |
| 6TB | 6,833円/TB | 6,833円/TB | – |
| 8TB | 6,250円/TB | 6,125円/TB | – |
前掲の実勢表の代表値を容量で割った、当サイトの計算値です(1円未満四捨五入)。最安値ベースの上表とは前提が違うため、数値もずれます。
8TBがいちばん単価が良いという結論は変わりません(6,125〜6,250円/TB)。ただし2点、7月時点より正直に書いておくべきことがあります。
ひとつは、IronWolfの4TB(6,750円/TB)が、どの6TB(6,833円/TB)よりも単価が安くなったこと。「4TBは割高」は、いまは銘柄しだいです。
もうひとつは、銘柄の差が容量の差より大きくなったことです。WD 4TBとIronWolf 4TBの差は1,375円/TB、対して6TB→8TBの改善幅は583円/TBしかありません。7月18日時点ではこの関係が逆で、4TBの銘柄差750円/TBに対し6TB→8TBの改善は1,006円/TBでした。単価だけを見れば、いまは「容量を上げる」より「銘柄を選ぶ」ほうが効きます。
それでも当サイトが8TB以上を勧める理由は単価だけではありません。次に説明する「増設までの年数」がもう半分の理由です。銘柄ごとの型番選定は、この章の最後で比較記事に案内します。
在庫の動きが速い時期です。価格を見るときは、最安表示だけでなくその店舗の在庫表示までご確認ください(前述のとおり、最安表示が売り切れというケースが増えています)。
8TBを選ぶと何が変わるか
数字の話を生活の話に戻します。8TBを選ぶ実利は、次の増設までの年数を稼げることです。
家族の写真・動画を貯める用途なら、年間の増加ペースは数百GB〜1TB程度が一般的です。今1TB使っている2ベイNAS(RAID1)で試算すると、こうなります。
| 構成 | 実効容量 | 空き | 年+500GBなら | 年+1TBなら |
|---|---|---|---|---|
| 4TB×2(RAID1) | 約4TB | 約3TB | 約6年 | 約3年 |
| 8TB×2(RAID1) | 約8TB | 約7TB | 約14年 | 約7年 |
現在の使用量1TB・RAID1・実効容量から単純計算した当サイトの試算です。実際はスナップショットやゴミ箱、空き容量の余裕(8割で運用するのが安全)で前後します。
差額35,000円(WD Red Plusで比較)で、次にHDDを買う日を4年前後うしろにずらせる——これが8TBを選ぶ実利です。4TBで組んで2〜3年後に足りなくなると、その時点の相場でもう一度HDDを買うことになります。今の相場が続いた場合、その買い直しは今回より高くつく可能性があります。
一方で、8TB×2本は初期費用が100,000円前後になります。ここは正直にトレードオフです。これから本体ごと新調するなら、2ベイのエントリー機(Synology DS225+で64,000円前後)と合わせて約16.4万円が目安になります。容量の見積もり方はNASのHDD容量の選び方にまとめてあります。
なお、東芝N300は容量あたり単価が最も良い一方、7月18日調査で最も値動きが激しかった銘柄でもあります(18TB・22TBはいずれも2週間で+15,000円)。4TBで起きた二極化(バルク29,980円/箱入り41,800円)も同じ性格の動きです。単価の良さと値動きの大きさはセットで考えてください。
予算優先なら4TB×2という選択も残る
「8TBは予算的に無理」という場合、4TB×2という構成は今も現実的です。円/TBでは割高ですが、初期費用の絶対額は8TB×2より約35,000円低くなります。現在の使用量が1TB前後で、増え方が年0.5TB程度なら、上の試算どおり約6年もつ計算です。4TBで組んで次の値動きを見るのは、十分に合理的な判断といえます。
しかも8月2日時点では、4TBでいちばん安いのはIronWolf(27,000円)です。WD Red Plus(32,500円)で組む場合と比べると、2本で11,000円変わります。IronWolfの3.5型はSeagate公式の一覧で全容量がCMRと記載されており、NAS用途の条件は満たしています。
ただし4TBは型番によって在庫の有無が分かれる容量帯です。前述のとおり、WD Red Plus 4TBはWD40EFPX(キャッシュ256MB)が価格.comの掲載0店=実質品切れで、買えるのはWD40EFZZ(キャッシュ128MB)のほうです。在庫表示のある店の価格を、型番まで見てご判断ください。
容量帯が決まったら、次は型番です。同じ「8TB」でも記録方式(CMR/SMR)・保証年数・想定ワークロードが違い、NAS常用に向かない型番が混ざっています。当サイトで条件ごとに整理したNAS用HDDのおすすめ比較と、判断基準そのものを解説したNAS用HDDの選び方をご覧ください。この記事では「いくらで、どの容量帯を」に絞りました。
やってはいけない節約
高いときほど、危ない近道が魅力的に見えます。3つだけ止めておきます。
安いBarraCudaは、NASに入れてはいけない
2026年7月8日公開のアキバ相場調査では、Seagate BarraCuda 8TBが25,980円で特売されていました。同じ時期のWD Red Plus 8TBは47,690円ですから、ほぼ半額です。
出典:AKIBA PC Hotline! 2026年7月8日公開号(調査期間 6月27日〜7月4日)
しかしSeagate公式のCMR/SMR一覧によれば、BarraCudaの4TBと8TBはSMRです(12TB以上はCMR)。SMRはデータを瓦のように重ねて書き込む方式で、大量書き込みやRAIDの再構築時に速度が大きく落ちることがあります。
出典:Seagate 公式「CMR/SMR一覧」。同一覧ではIronWolfの3.5型は全容量がCMRと記載されています。
RAIDのリビルド中に想定外の時間がかかると、その間にもう1本が壊れるリスクに晒され続けます。2万円の節約と引き換えにするものとしては割に合いません。詳しくはCMRとSMRの違いをご覧ください。
中古・リファービッシュ品は「別の商品」だと理解して買う
Seagateは公式にリファービッシュ品(Recertified Drives)を扱っています。ただし公式ページには次のように書かれています。
- 保証は6か月(NAS用HDDの新品は3年保証が一般的)
- 製品は「used, reconditioned, or repurposed(使用済み・再調整・再利用)」されたもの
- 新品向けの仕様書と保証はリファービッシュ品には適用されない
出典:Seagate 公式 Recertified Drives(米国サイト)。日本国内で正規流通しているかは当サイトでは確認できていません。
メーカー認定品でこの条件です。フリマやオークションの個人出品品は、通電時間も使用環境も分かりません。RAIDを組むためにまとめ買いした中古が同時期に壊れるという事態は、バックアップ設計ごと崩します。
参考値として、Backblazeの2026年第1四半期のドライブ統計(2026年7月9日公開・対象341,263台)を挙げます。四半期の年換算故障率は1.24%、生涯故障率は1.39%と報告されています。これは新品を含むデータセンター運用の数値で、中古の故障率を示すものではありません。
出典:Backblaze Drive Stats for Q1 2026(2026年7月9日公開)
外付けHDDの分解(殻割り)は当サイトでは推奨しません
外付けHDDを分解して中身のHDDを取り出す方法がネットで紹介されていますが、当サイトでは勧めません。メーカー保証を失いますし、中身の型番・記録方式が保証されないためです。加えて外付け製品に入るドライブは、NASのような24時間連続稼働を前提にした仕様とは限りません。高騰時ほど「安く見える外付け」に手が伸びますが、NASの中身は数年動き続ける部品ですから、ここは節約しどころではありません。
現実的に効く節約と、買わずに時間を稼ぐ方法
止める話ばかりでは片手落ちなので、実際に効く手を挙げます。
Synologyの2025年モデルは、サードパーティHDDが使えるようになった
Synologyは2025年、Plusシリーズに厳しいドライブ互換性ポリシーを導入しましたが、2025年10月8日公開のDSM 7.3で方針を変更しました。公式のニュースには次のように記載されています。
"25 model year DiskStation Plus, Value, and J series running DSM 7.3 will support the installation and storage pool creation of non-validated third-party drives."
(2025年モデルの DiskStation Plus・Value・J シリーズは、DSM 7.3上で未検証のサードパーティ製ドライブの取り付けとストレージプール作成をサポートする)
対象は限定されています。DSM 7.3を導入した「2025年モデル」の DiskStation Plus / Value / J シリーズ(DS925+・DS725+・DS425+ など)が対象で、2024年以前のモデルや他シリーズ、DSM 7.2以前のままの機種は含まれません。また記載は「インストールとストレージプールの作成ができる」という内容であり、Synologyが個々のサードパーティ製ドライブの動作を検証・保証したという意味ではありません。
出典:Synology 公式ニュース「DSM 7.3」(2025年10月8日公開)。同ページの脚注には「Creation of M.2 based storage pool and cache still requires drives on the HCL.」とあり、M.2 SSDについては引き続き互換性リスト掲載品が必要です。導入前に、お使いの機種の対応状況を公式の互換性情報でご確認ください。
金額のインパクトはあります。執筆時点でSynology純正 HAT3300 4TBが41,000円前後なのに対し、WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ)は32,500円前後です。1本あたり約8,500円、2ベイなら約17,000円の差になります。
ただし、この差は7月から縮んでいます。当サイトが7月25日に確認した時点では1本あたり約12,000円でしたが、純正のHAT3300が下げたこと(価格.com最安で47,200円→39,980円)に加え、WD Red Plus 4TB側の代表値を在庫のあるWD40EFZZ基準(32,500円)に採り直したため、差は3,500円ほど詰まりました。WD Red Plus 4TBの店頭価格そのものは7月18日の35,200円をピークに下げており、上がったわけではありません。「サードパーティなら必ず得」と言い切れるほどの差ではなくなってきています。純正を選べばSynologyの検証済みドライブとして扱われ、トラブル時の窓口が一本化されるという利点があります。2ベイで17,000円の差をどう見るかは、その安心をどう評価するか次第です。
一方、4TBで最も安いIronWolf(27,000円)と比べれば、差は1本あたり14,000円に開きます。差額は「純正かサードパーティか」で決まるのではなく、どの銘柄を選ぶかで8,500円にも14,000円にもなります。かつて「純正のほうが割安」と言われた時期もありましたが、2026年8月時点では逆転しています。
買わずに時間を稼ぐ3つの手
既存NASが動いていて、増設が「そろそろ」程度なら、次の手で数か月〜1年は稼げることがあります。
- 容量の棚卸し:重複した写真・見返さない動画・古いISOを整理する。数百GB単位で戻ることが珍しくありません
- 空きベイを先に使う:4ベイ機で2本しか使っていないなら、増設は1本で足ります。全交換より費用を抑えられます
- 一時的にクラウドへ退避:ただし月額が発生し続けます。仮に月1,000円なら年1万2,000円で、数年続けばHDD 1本ぶんに届きます。総コストの比較はNASとクラウドの比較を参考にしてください
棚卸しをどう進めるかは別記事にまとめました。Synology公式ツールでの洗い出し・外付けへの一時退避・予兆監視で買う日を自分で決める方法まで、HDDが高くて買えないときの選択肢で手順にしています。
RAID構成の組み替え(RAID1→RAID5など)は、データを預けたまま構成を変える操作になるため、節約目的で安易に手を出さないでください。実行する場合は、必ず事前に別媒体へバックアップを取り、自己責任で行ってください。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 一本調子の高騰は7月下旬で止まりました。WD Red Plus 6TBは7月23日の48,620円をピークに、7月27日以降40,980円で横ばい(ピーク比-15.7%)
- ただし下落トレンド入りの確証はありません。WD 8TBは高止まり、IronWolf 6TBは8月1日に上昇と、銘柄・容量で動きが割れています
- 半年で見れば依然として高い水準(秋葉原最安でWD Red Plus 6TBは1月→7月で+72.7%、8TBは+52.1%/2026年7月18日調査時点)
- 原因はSSDの高騰とは別。HDD全体の出荷台数は横ばいのまま、データセンター向けに配分が移ったことが統計で確認できる
- 実感としては「値札が上がった」より「安い店から在庫が消えた」。WD Red Plus 4TBは掲載0店のWD40EFPXから、在庫のあるWD40EFZZへ型番ごと置き換わりました。買う前に型番と在庫表示まで確認する
- 買うなら8TB以上が容量あたり単価で有利(6,125〜6,250円/TB)。予算優先なら4TB×2も選択肢で、4TB最安はIronWolfの27,000円
- 安いBarraCuda 4TB/8TBはSMR。半額の誘惑には乗らない
- Synologyの2025年モデル(DSM 7.3稼働のPlus・Value・Jシリーズ)はサードパーティHDDに対応。純正との差額は1本あたり約8,500円で、7月より3,500円ほど縮んだ
次の一手
- 買うと決めた方:NAS用HDDのおすすめ比較で型番・CMR・保証を確認し、NASのHDD容量の選び方で必要本数を確定してください
- まだ待てる方:今日は「容量の棚卸し」と「空きベイの確認」だけで十分です。数か月〜1年は稼げます
- 故障交換の方:CMRとSMRの違いだけ先に確認して、同容量帯のCMR機を手配してください
価格・在庫はいずれも執筆時点(2026年8月2日)に確認したものです。相場の動きが速いため、購入前に必ずご自身で最新価格と在庫をご確認ください。この記事の価格スナップショット節は、月1回を目安に見直します。