更新日:2026年8月1日|カテゴリ:HDD・SSD・ストレージ選び

本記事のおすすめ・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。当サイトは実機のNASを保有していますが、本記事で挙げる外付けHDD/SSDの実機テストは行っていません。速度・耐久などの数値はメーカー公表値です。

「子どもの写真と動画でスマホもPCも限界。外付けHDDを買えばいいのは分かるけど、どれを選べばいいの?
そしてもう一つ、NASを使っている人がいつか必ず気づく事実があります。NASが1台壊れたら、そこに集めた写真は全部消える——RAIDを組んでいても、です。この記事では、その両方に効く「外付けHDD/SSD(DAS=PCに直接つなぐストレージ)の選び方」をまとめます。

結論:使う場面で決める——写真の保管は据え置きHDD、持ち出しはSSD

  • 写真・動画をまとめて安く貯めたい据え置き型の外付けHDD迷ったら6TB(23,000円前後)。写真が中心で、いま使っている量が2TB前後までなら4TB(19,000円前後)で足ります。1TBあたりの単価は、この記事で比べる3容量のなかでは6TBがいちばん安くなります
  • NASのバックアップ先が欲しい据え置き型の外付けHDDを、NASの使用容量以上で。これが3-2-1ルールの「2(別の媒体)」になります
  • 持ち歩きたい/動画編集の作業ドライブポータブルSSD(2TBで55,000円前後。速いが2026年は割高)
  • 家族みんなで共有したい・外出先から見たい → 外付けHDDでは無理。NASの出番です

価格は2026年7月27日に確認した実売の目安です(変動します)。

この記事が答えること・答えないこと

外付けストレージの話は範囲が広いので、先に線を引いておきます。

疑問 答える記事
外付けHDDとNAS、どっちを買うべき? 外付けHDDとNASの違いを比較
NASの中に入れるHDDはどれ? NAS用HDDのおすすめ
写真・動画のバックアップ用の外付けHDD/SSDはどう選ぶ? この記事
NASのバックアップ先に外付けHDDを使いたい この記事(+3-2-1ルール

1行で答えるなら、自分のPCにある写真を守りたいだけなら外付けHDD、家族で共有したいならNAS。この記事は「外付けを買うと決めた人が、どれを選ぶか」に絞っています(そこがまだ決まっていないなら違いの比較記事が先です)。

この記事の流れ:用途別の選び方 → 容量の計算 → フォーマット → NASのバックアップ先(ext4かNTFSか) → 買う前の落とし穴 → 価格 → 買ったあとの3ステップ → 寿命 → FAQ。

買うものがもう決まっている人は、上の結論ボックスと「価格の目安」の章だけで足ります(最後まで読むと30分近くかかります)。じっくり選びたい人は、このまま順に読み進めてください。

使う場面で選ぶ:あなたに合うのはどれ?

製品カタログは「据え置き型/ポータブル型」で分かれていますが、あなたが知りたいのは形ではなく自分の使い方に合うかのはずです。場面別に並べ直します。

あなたの状況 選ぶもの 目安の予算
写真・動画が増えてPC/スマホが限界 据え置き外付けHDD 6TB(写真中心なら4TB) 19,000円〜23,000円
NASが壊れたときの備えが欲しい 据え置き外付けHDD(NAS使用量以上) 同上
撮影現場・出先で使いたい/動画編集の作業ドライブ ポータブルSSD 1〜2TB 30,000円〜55,000円
家族の複数端末で共有したい 外付けでは不可 → NAS

写真・動画をまとめて安く貯めたい → 据え置き型の外付けHDD

いちばん多いのがこのケースです。ACアダプターで動く3.5インチHDDを内蔵したタイプで、容量あたりの単価がいまも最安クラス。1TBあたりで見ると4TBが4,750円、6TBが3,833円で、6TBまでは容量が大きいほど単価が下がります(8TBは4,000円と、4TBと6TBの中間あたりです)。

デスクに置きっぱなしにして、PCの写真フォルダを丸ごとコピーしておく——それだけで「PCが壊れたら全部消える」状態からは抜け出せます。あなたの写真は、今日から二重になります。コピー先で迷子にならないフォルダの分け方は写真・動画の管理とフォルダ構成をご覧ください。

選ぶときに見るべきは1点だけ。記録方式がCMRであることです。安価なHDDにはSMR方式が混じっていて、大量のデータを一度に書き込むと途中から極端に遅くなることがあります(CMRとSMRの違いで詳しく解説)。本記事で価格を挙げるバッファローのHD-SGDAシリーズは、4TB・6TBともメーカーがCMR方式採用と公表しています(製品名は「外付けHDD Seagate Basic」ですが、内蔵ドライブのメーカーは公式の仕様表には書かれていません。販売各社の商品名にある「Seagate製ドライブ内蔵」は、公式仕様の記載ではない点にご注意ください)。

逆に言えば、本記事は「メーカー自身がCMRと公表していること」を紹介の条件にしました。同じ価格帯には他社の据え置きモデルも多くありますが、製品ページで記録方式を確認できなかったものは、安くてもここでは取り上げていません。

仕様の出典:バッファロー HD-SGDA4U3-B 製品ページ(CMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間。製品名は「USB3.2(Gen1)対応 外付けHDD Seagate Basic」)/HD-SGDA6U3-B 製品ページ(CMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間)

4TB・6TB・8TBの実売価格と1TBあたりの単価は、記事の後半でまとめて比べます。

撮影現場や出先で使いたい/動画編集の作業ドライブ → ポータブルSSD

ノートPCと一緒に持ち歩く、ロケ先でカードから吸い出す、4K素材を直接編集する。こうした動かす・速く読む用途はSSDの領域です。駆動部がないので静かで、落下にも比較的強く、読み書きの速度も外付けHDDより大きく上がります(下で挙げるモデルの公表値は読み出し最大1,050MB/s)。

ただし正直に書きます。2026年はメモリ相場の高騰でSSDが非常に高いです。同じお金で買える容量を並べると差は明らかです。

容量 実売の目安 1TBあたり
据え置き外付けHDD 4TB 19,000円 4,750円
ポータブルSSD 2TB 55,000円 27,500円

同じ金額で貯められる量がまるで違うので、「貯める」目的でSSDを買う理由は今のところありません。SSDを選ぶのは、持ち運ぶ・速度が仕事に直結する場合だけ。この2つを兼ねようとすると、高い買い物のわりに容量が足りない、という後悔になりがちです。

上のSanDisk製は読み出し最大1,050MB/sをうたう2TBモデルで、メーカー保証は5年。ロケ先でカードから吸い出す待ち時間が短く、4K素材をこのSSDに置いたまま編集しても作業が止まりにくい——持ち出しと編集を1台で回す人には、この速度差が毎日の待ち時間として返ってきます(「ただ貯めるだけ」ならHDDで十分、は前述のとおりです)。防滴・防塵と耐落下にも対応しますが、等級の表記は世代・仕向地で異なるため、購入前に販売ページの仕様欄で確認してください。

速度・保証・防水防塵等級の出典:サンディスク エクストリーム ポータブル SSD V2 サポート情報(SanDisk公式)(「読み取り最大 1050MB/s 書き込み最大1000MB/s」「5 年間限定保証」「IP55の防水と防塵」。同社の別ページではIP65表記も見られます)

HDDを何台もまとめて速く扱いたい → 多ベイのHDDケース(上級者向け)

3.5インチHDDを2〜4台入れられるUSB接続のケースもありますが、LAN内の共有も外出先アクセスもできず、ケース単体では他の端末のバックアップ先にもなりません。家庭で必要になる場面は限られます。中に入れるHDDはNAS用のCMRモデルを選び、2026年に入って大きく値上がりしているHDDの相場推移も見ながら、ケース代だけでなく総額で見積もってください。

容量はどれくらい必要?写真何枚・動画何時間か計算する

「4TBって、結局どのくらい入るの?」に答えます。ここは前提を置かないと数字が出せないので、計算式ごと書きます。

前提:スマホのJPEG写真1枚=5MB/一眼のRAW 1枚=25MB/4K動画1分=200〜400MB(記録方式で変わります)。メーカー表記の1TB=1兆バイトで計算。当サイトのNAS用HDD容量ガイドと同じ前提でそろえています。

容量 スマホ写真 一眼のRAW 4K動画
1TB 約20万枚 約4万枚 約40〜80時間
4TB 約80万枚 約16万枚 約160〜330時間
6TB 約120万枚 約24万枚 約250〜500時間
8TB 約160万枚 約32万枚 約330〜660時間

計算式:容量(バイト)÷1ファイルの容量。例:4TB÷5MB=4,000,000,000,000÷5,000,000=約80万枚。当サイトの試算であり、撮影機材・画質設定で実際の枚数は変わります。

NAS側のHDD容量(RAIDを組んだときの実効容量・家族構成別のシミュレーション)まで含めて決めたい方は、NASのHDD容量はどれくらい必要?で詳しく計算しています。この記事は「外付け1台をどう選ぶか」に絞ります。

数字だけ見ると4TBで十分すぎるように見えますが、2つの目減りがあります。

  1. 表示容量は少なく見える:4TBのHDDをPCにつなぐと、Windows上の表示は約3.6TBです(4兆バイト÷1024⁴の計算になるため)。故障でも不良品でもありません
  2. 満杯まで使わない:空きが極端に少ないHDDは書き込みが遅くなりやすいため、実用上は8割程度で買い足しを考えるのが安全です

この2つを見込むと、4TBの実用ラインは4兆バイトの8割=約3.2兆バイト(Windowsの表示では約2.9TB)です。それでもスマホ写真なら約64万枚(3.2兆バイト÷5MB)が入る計算です。写真が中心で、いま使っている量が2TB前後までなら4TBで数年はもちます。動画も本格的に貯めるなら6TB(表示は約5.5TB・8割なら約4.4TB)を選んでおくと、買い足しの時期を数年先に送れます

フォーマットと対応OS:Windows・Mac・NASで詰まらないために

同じHDDでも、フォーマット形式によって使える機器が変わります。買ってきたHDDがMacで書き込めない、NASにつないだら認識しない——詰まる原因は、たいていここです。

形式 Windows Mac 主な用途
NTFS 読み書き可 読み取りのみ(書き込み不可) Windows専用の保管
exFAT 読み書き可 読み書き可 WindowsとMacの併用
APFS / HFS+ 認識しない 読み書き可 Mac専用・Time Machine
ext4 標準では読めない 標準では読めない Linux/NASのバックアップ先

NTFSがmacOSで読み取り専用になること・exFATが両OSで読み書きできることの出典:Western Digital サポート「WindowsまたはmacOSで使用するためにドライブをフォーマットする手順」

市販の外付けHDDの多くはNTFSで出荷されます(本記事で挙げるバッファロー製もNTFS出荷)。そのままWindowsで使うなら何もしなくてOK。しかしMacとWindowsを行き来させたいなら、買ってすぐexFATに再フォーマットしてください。データを入れた後では消さないとやり直せません。

フォーマットの場所だけ覚えておけば十分です。Windowsは「PC」でドライブを右クリック →「フォーマット」、Macは「ディスクユーティリティ」→ 対象のドライブ →「消去」。操作自体は数分で終わります。

再フォーマットすると中のデータは消えます
すでにデータが入っているHDDを再フォーマットすると、中身はすべて消えます。作業の前に必ず別の場所へコピーを取り、自己責任で実施してください。フォーマットを変えるなら、新品のうちに済ませるのがいちばん安全です。

もう1点、exFATを選ぶときの注意があります。exFATは、NTFSのような更新記録(ジャーナル)を持たない設計です。書き込みの途中でケーブルを抜いたり停電したりすると、ファイルシステムごと読めなくなることがあります。exFATにするのはWindowsとMacを行き来させるためと割り切って、その1台を唯一のコピーにしない(PCかNASにも同じデータが残っている状態を保つ)ようにしてください。

Time Machineに使いたい場合
macOSのTime Machineは専用のフォーマット(APFS/HFS+)を要求します。exFATのままでは指定できません。Mac用のバックアップ先にするなら、その1台はMac専用と割り切る構成が安全です(NAS側でTime Machineを受ける方法はNASでTime Machineを参照)。

NASのバックアップ先に使う外付けHDDの選び方(Synology・QNAP)

NASを使っているなら、この章がいちばん効きます。

NASを買った人ほど、外付けHDDを1台持っておくべきです。RAIDを組んでいても、それはHDD1台の故障に耐えるだけの仕組みで、本体の電源故障・誤削除・ランサムウェア・盗難・火災には無力です。RAIDはバックアップの代わりにならない——この点は何度でも書きますが、実際に「NASが1台あるから安心」で止まっている家庭は少なくありません。

3-2-1ルール(コピー3つ・媒体2種類・1つは別の場所)でいえば、外付けHDDが担うのは「2」=別の媒体です。NASのUSBポートに挿して、Synologyなら「Hyper Backup」、QNAPなら「Hybrid Backup Sync」で自動バックアップを組めます。

NASバックアップ用に選ぶ3条件(容量・AC電源・CMR)

NASのバックアップ先に選ぶ外付けHDD・3条件

  1. 容量はNASの使用容量以上。NASが3TB使っているなら4TB以上、余裕を見るなら6TBを選びます。将来の増加分も足して考えてください
  2. 据え置き型(AC電源)を選ぶ。バスパワーのポータブルHDDはNASのUSBポートから安定して電力を取れないことがあり、長時間の書き込みが止まるリスクがあります
  3. CMR方式。バックアップは一度に大量のデータを書き込む処理なので、SMRの書き込み低下がそのまま所要時間に効きます

この3条件を満たすのが、本記事で価格を挙げているバッファローのHD-SGDAシリーズ(据え置き・AC電源・メーカーがCMR方式と公表)です。NASの使用量が3TB前後なら6TBのHD-SGDA6U3-B、2TB前後までなら4TBのHD-SGDA4U3-Bで足ります。

始め方は5手です。Synologyの場合、①外付けHDDをNASのUSBポートに挿す ②パッケージセンターで「Hyper Backup」を入れる ③バックアップ先に、挿したUSBのドライブを選ぶ ④複数バージョンで保存するか単一バージョンで保存するかを選ぶ ⑤対象の共有フォルダ(写真フォルダなど)とスケジュールを決める——の順に進みます。④と、その前提になるフォーマット(ext4かNTFSか)だけは、後述の「ext4かNTFSか」の章を読んでから決めてください。ここを先に決めておかないと、いざというときPCから開けないバックアップができあがります。

手順の詳細:Synology ナレッジセンター「Hyper Backup を使用してデータをローカル共有フォルダまたは USB にバックアップする方法」

さらに「1(別の場所)」まで作るなら

外付けHDDをNASの隣に置いたままだと、火災や盗難では両方まとめて失われます。3-2-1の「1」を満たすには次のどちらかです。

  • 外付けHDDを2台用意して交互に入れ替え、片方は実家や職場など別の場所に保管する(月1回の入れ替えでも効果は大きい)
  • クラウドバックアップを併用するNASのクラウドバックアップで費用を比較しています)

正直に言うと、2台目のHDDを買うか、クラウドに毎月払うかは、データの量と「消えたら困る度合い」次第です。写真が2TBに収まるうちは、クラウド側の月額のほうが安く済むケースもあります。逆に、写真に動画が混ざって容量が増え続ける人は、月額が積み上がる前に外付けを買い切ってしまうほうが、数年単位では安くなることがあります。金額は「取り出しに時間がかかる長期保管向けプラン」か「すぐ取り出せる一般的なプラン」かで大きく変わるので、上のリンク先の月額表と自分の容量を突き合わせてみてください。当サイトは外付けHDDを売りたいのではなく、同じ場所に1つしかコピーが無い状態を減らしたいだけです。

NASの外付けバックアップはext4かNTFSか——正直なトレードオフ

Synology NASは、USB外付けドライブの ext4・ext3・FAT32・NTFS・Btrfs・exFAT・HFS+ を読み書きできます。一方、DSMからフォーマットできるのはext4・FAT32・exFATの3つです(exFATはパッケージセンターで「exFAT Access」の導入が必要)。

出典:Synology DSM テクニカルスペック(外部デバイス)

ここで扱うのは「USBでつなぐ外付け1台をどの形式にするか」です。NAS本体に入れるHDDのボリューム形式(ext4かBtrfsか)は別の判断になるので、そちらはext4とBtrfsの違いをご覧ください。

どれを選ぶかで、いざというときの動きが変わります。

選択 メリット デメリット
ext4 DSMからそのままフォーマットでき、NAS運用で扱いやすい Windows PCに直挿ししても中身が読めない。復旧時もNASかLinuxが必要
NTFS / exFAT NASが完全に壊れても、ファイルがそのままの形で入っていればPCに挿して取り出せる NAS側の扱いはext4より不利になる場合がある

「NASが壊れる」ことに備えるバックアップなのに、取り出しにそのNASが要る——これはext4を選んだときに実際に起こる矛盾です。NASの復旧を前提にするならext4、最悪PC単体で吸い出したいならNTFS/exFAT。当サイトとしては、家庭で「自分以外の家族が取り出す可能性がある」ならNTFS/exFATを推します。

では、そのNTFSはどこで作るのか。答えは「作らなくていい」です。上のとおりDSMから作れるのはext4・FAT32・exFATの3つで、NTFSはDSM側でフォーマットできません。市販の外付けHDDはNTFSで出荷されるので、NTFSで使いたいなら買ってきたHDDをそのままNASのUSBポートに挿すだけです。exFATにしたい場合だけ、DSMで「exFAT Access」を入れてからフォーマットします。

ただし、フォーマットを選ぶだけでは足りません。取り出せるかどうかは「どのソフトでバックアップを取るか」でも決まります。

Hyper Backupの「複数バージョン」バックアップは、PCに挿しても写真フォルダとしては開けません
外付けをNTFSやexFATにしても、ここは変わりません。Hyper Backupの複数バージョンのバックアップは.hbkというSynology独自の形式で保存されます。Hyper Backup/Hyper Backup Explorer/Hyper Backup Vaultでのみ読み取れると、メーカーが明記しています。世代を残す複数バージョンで運用するなら、復旧に使うPCへ「Hyper Backup Explorer」(Windows・macOS・Ubuntu・Fedora向けにSynologyが配布)を用意しておくところまでを、運用を始める前に決めておいてください。

では、PCに挿すだけで写真フォルダとして開ける状態にしたいときはどうするか。答えは「複数バージョンを使わない」ことです。Hyper Backupでバックアップ先にローカル共有フォルダやUSBを選ぶと、複数バージョンで保存するか、単一バージョンで保存するかを選べます。単一バージョンについてSynologyは「データはオリジナルのフォーマットおよびフォルダ構造で保存されます。これにより異なるデバイスで簡単にファイルを取得して見ることができます」と説明しています。外付けをNTFS/exFATにしておく意味が生きるのは、この単一バージョンを選んだときです。

そのかわり単一バージョンは、最新の1世代だけを残して古いバックアップを上書きし、暗号化と圧縮も使えません。世代をさかのぼりたいなら複数バージョン+Hyper Backup Explorer、家族の誰でもPCから取り出せることを優先するなら単一バージョン——フォーマットとバックアップ方式は、この2択とセットで先に決めてください。

出典:Synology Hyper Backup テクニカルスペック(「複数のバージョンのバックアップ タスクのバックアップ ファイルは、Synologyを使用するバックアップ形式 (.hbk) として格納され、Hyper Backup、Hyper Backup Explorer、およびHyper Backup Vaultでのみ読み取ることができます」)/Synology ナレッジセンター「ディスティネーション|Hyper Backup」(単一バージョン:「データはオリジナルのフォーマットおよびフォルダ構造で保存されます」「ファイルの1つの最新バージョンのみを保存するため、古いバックアップ データは上書きされます」「データの暗号化と圧縮は利用できません」)/Hyper Backup 機能ページ(Hyper Backup ExplorerのWindows・macOS・Ubuntu・Fedora対応)

買う前に知っておきたい落とし穴

外付けHDDは複数端末で「共有」できません
外付けHDD/SSDはUSBでつないだその1台のPC専用です。スマホから直接見る、家族の別のPCから開く、外出先からアクセスする——これらは外付け単体では成立しません。「家族全員の写真を1か所に集めたい」が目的なら、最初からNASを選ぶほうが遠回りになりません。

厳密には、つないだPC側でフォルダ共有を設定すれば同じLAN内の別端末から覗けます。ただし親機のPCの電源を切れば共有も止まります。常時使いたい用途では、NASのような専用機にはかないません。

購入前に知っておくと損をしない点を、もう2つ挙げます。

  • RAIDはバックアップではない:多ベイケースでRAID 1を組んでも、誤削除やランサムウェアはそのままコピー先にも反映されます(RAIDは必要か
  • このシリーズは特定販売店向けで、大容量ほど品薄になりやすい:バッファローのHD-SGDAシリーズは、4TB・6TB・8TBのどの製品ページにも「在庫を限定しております」「特定販売店向けです」というメーカー表示があります。本記事が勧める4TB・6TBも例外ではありません。実際の入手しやすさには差があり、在庫ありの掲載店は執筆時点で4TB・6TBが各9店ほど、8TBは2店ほどでした(価格.comで当サイトが確認)。8TBを狙うと在庫探しから始まるので、8TBを1台買うより、6TBを2台に分けるほうが現実的な場合があります

執筆時点では、4TB・6TBとも普通に買えます

型番で検索すれば、在庫のある店が見つかる状態です。もし品切れに当たったら、①同じHD-SGDAシリーズの別容量に振り替える ②他社製でも販売ページに「CMR」または内蔵ドライブの型番が明記されているものを選ぶ——の順で探してください。この順なら、この記事の選定基準(記録方式が確認できること)は保てます。

出典:バッファロー製品ページ(いずれも「この商品は現在、在庫を限定しております」「この商品は特定販売店向けです」の記載を当サイトで確認):HD-SGDA4U3-BHD-SGDA6U3-BHD-SGDA8U3-B

価格の目安(執筆時点の実売)

製品・タイプ 容量 実売の目安 1TBあたり
据え置き外付けHDD(HD-SGDA4U3-B) 4TB 19,000円 4,750円
据え置き外付けHDD(HD-SGDA6U3-B) 6TB 23,000円 3,833円
据え置き外付けHDD(HD-SGDA8U3-B・在庫薄) 8TB 32,000円 4,000円
ポータブルSSD(SanDisk E61系) 1TB 30,000円 30,000円
ポータブルSSD(SanDisk E61系) 2TB 55,000円 27,500円

価格は2026年7月27日に価格比較サイト・量販店・メーカー公式で確認した目安です。HDD/SSDの相場は数週間単位で動きますので、購入直前に各販売ページで最新価格を確認してください。8TBモデルは在庫が不安定なため、表示価格で買えるとは限りません。

以下、写真が中心で使用量が2TB前後までなら4TB/動画も貯めるなら6TBを前提に、それぞれの買い方を書きます。

4TBを選ぶなら、下のカードがそのモデルです。価格表の1行目、バッファロー HD-SGDA4U3-B(4TB)。主にすすめている6TBとは別モデルなので、6TBが欲しい方はこのカードではなく、この記事のいちばん下にある6TB(HD-SGDA6U3-B)のカードから進んでください。

接続はUSB 3.2 Gen1で、出荷時のフォーマットはNTFS。Windowsで使うなら、箱から出して挿すだけ——フォーマット作業をしないまま、今日のうちに写真フォルダのコピーを始められます(Mac併用なら前述のexFAT化が必要です)。故障予測を知らせる「みまもり合図」に対応しているので、壊れてから慌てるのではなく、壊れる前に写真を移す時間を作れるのが保管用として効いてきます。テレビ・レコーダーの録画用にも使えるため、PCの使い方が変わっても使い道は消えません(対応機種はメーカーの「テレビ・レコーダー・チューナー対応検索」で確認できます)。保証期間は1年間です。

買ったあとに毎月出ていくお金がないのも、外付けHDDの見落とされがちな強みです。メーカー公表の最大消費電力は18Wなので、1日1時間だけつなぐ使い方なら電気代は年200円ほど(18W×1時間×365日÷1000×31円/kWh。消費電力が上限に張り付いたと仮定した計算なので、実際はこれより下です)。24時間動かすNASや、毎月払うクラウドとは、ここが決定的に違います。

消費電力の出典:バッファロー HD-SGDA4U3-B 製品ページ(最大消費電力18W)。電力量料金は当サイトのNASの電気代と同じ31円/kWhで計算した目安で、実測値ではありません。

本命は6TB|4TBとの差額4,000円で容量が2TB増える(HD-SGDA6U3-B)

この記事がいちばんすすめているのは6TBのHD-SGDA6U3-Bです。同じHD-SGDAシリーズの容量違いで、メーカーはこちらもCMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間と公表しています。4TBとの差額4,000円で容量は2TB増え、1TBあたりの単価はこの記事で比べた3容量のなかで最も安くなります。動画も貯める家庭なら、買い足しの時期を数年先に送れるのがこのモデルです。

6TBを買うなら、この記事のいちばん下にあるカードが型番 HD-SGDA6U3-B そのものです(似た型番の別容量モデルではありません)。ただし前述のとおり、このシリーズはメーカーが「在庫を限定しております」「特定販売店向けです」と表示している製品です。執筆時点では在庫のある取り扱いが9店ほどあり、いま買えない状態ではありませんが、カードの販売ページで品切れに当たったときは、前掲の2案(①同じHD-SGDAシリーズの別容量に振り替える ②他社製でも販売ページに「CMR」または内蔵ドライブの型番が明記されているものを選ぶ)の順で探してください。

買ったあとの手順:写真を二重にする3ステップ

外付けHDDは、買っただけでは1枚も守ってくれません。やることは3つだけです。

  1. つないでフォーマットを確認する(Windowsだけで使うならNTFSのまま使います/Mac併用なら、データを入れる前にexFATにします)
  2. 写真フォルダを丸ごとコピーする(初回はまとめて。年ごとのフォルダ単位でコピーしておくと、あとから差分を追いやすくなります)
  3. 月に1回、追加分だけコピーする(差分だけなら数分。カレンダーに繰り返しの予定を入れておくのが続けるコツです)

「追加分だけ」の具体的なやり方は、年ごとのフォルダを丸ごとコピーするのがいちばん簡単です。ただし、この操作はWindowsとMacで挙動が違います。ここだけは分けて書きます。

Windowsの場合は、2026年に撮った写真なら 2026 フォルダだけを外付けにドラッグします。同じ名前のファイルをどうするか聞かれるので、「スキップする」(同じ名前のファイルはコピーしない)を選べば、増えたぶんだけがコピーされます。写真を1枚ずつ選ぶ必要はありません。

Macの場合は「スキップ」がありません。Appleのサポートページでは、同じ名前のフォルダを結合する方法として「Optionキーを押したまま、一方のフォルダが含まれている場所に同じ名前の他方のフォルダをドラッグします。表示されるダイアログで『結合』をクリックします」と案内されています。さらに「『結合』オプションが表示されるのは、一方のフォルダに、もう一方のフォルダにはない項目が含まれている場合のみです。同じ名前でバージョンが異なるファイルがフォルダに含まれている場合のオプションは、『中止』または『置き換え』のみです」とも書かれています。

Macで「置き換え」を選ばないでください
Macで選べるのは「結合」「中止」「置き換え」で、Windowsのような「スキップ」はありません。「置き換え」を選んだときにコピー先のフォルダがどうなるかは、当サイトではMac実機で確認できていません(コピー元にしか無い状態へ置き換わる可能性があります)。PC側で写真を整理・削除した人がここで「置き換え」を選ぶと、外付け側にしか残っていない写真を失いかねません。MacではOptionキーを押しながらドラッグして「結合」を選ぶか、Mac標準のTime Machineのような専用のバックアップ機能に任せてください(NASでTime Machineを受ける方法)。上のApple公式の説明のとおり、同じ名前で中身が違うファイルが混じっていると「結合」は表示されません。そのときは「中止」を選んでいったんやめ、その年のフォルダを 2026_backup のような別の名前にして丸ごとコピーしてください(フォルダは増えますが、あとから中身を見比べて整理すれば、写真を失わずに済みます)。操作の詳細は必ず下のApple公式ページでご確認ください。

出典:Apple サポート「Macでファイルをフォルダに整理する」(同じ名前のフォルダを結合する手順・「結合」が表示される条件)

「コピーしたつもり」を防ぐため、コピーが終わったらコピー元とコピー先でフォルダのファイル数を突き合わせる——これを習慣にしてください。数が合わなければコピー漏れです。ただし件数の一致は中身まで無事だと保証するものではないので、大事なフォルダは合計サイズ(バイト数)も見比べておくと安心です。確認する範囲も、その年のフォルダだけに絞れば一瞬で終わります。

NASを使っているなら、この3ステップはHyper Backupなどで自動化できます(前掲「NASのバックアップ先に使う外付けHDDの選び方」を参照)。手を動かすのは、最初の設定のときだけで済みます。ただし自動でも、月に一度は「最後に成功した日時」を確認してください。止まっていることに気づかないのが、いちばん危ない状態です。

寿命と買い替えサイン:壊れる前提で考える

HDDは消耗品です。「壊れたら買い替える」ではなく、壊れる前に2つ目を用意しておくのが、写真を守るいちばん確実な方法になります。

一般的な交換の目安は3〜5年。大規模なHDD運用統計として公開されているBackblazeのDrive Statsでも、稼働年数が長くなるほど年間故障率(AFR)が上がる傾向が示されています。

出典:Backblaze Drive Stats(HDD故障率の公開データ) ※データセンターでの24時間連続稼働・内蔵ドライブの統計です。必要なときだけ通電する家庭の外付けHDDとは条件が異なるため、年数はあくまで目安として読んでください。

次のサインが出たら、修理を考える前にまずデータのコピーを取ってください

  • カチカチ・カリカリと規則的な異音がする、回転音が普段と違う
  • 認識したりしなかったりする、接続し直すと直る
  • コピーが以前より極端に遅い、途中で止まる
  • 特定のファイルだけ開けない・エラーが出る
  • OSやNASからS.M.A.R.Tの警告が出る(HDD故障の予兆とS.M.A.R.Tで読み方を解説)

外付けHDDは中の状態が見えにくい
USBケースに入っていると、機器によってはS.M.A.R.T情報が読めません。予兆を数値で追えない可能性があるぶん、「異音がしたら即コピー」の判断が重要になります。バッファローの「みまもり合図」のように、メーカー独自の故障予測に対応した機種を選ぶのは有効な保険です。

そして保証について、はっきり書いておきます。メーカー保証(前述の機種は1年)は本体を交換してくれますが、消えたデータは戻りません。だからこそ「保証が長い機種を選ぶ」より「同じデータを2か所に置く」ほうが、写真を守る効果はずっと大きいのです。

よくある質問(FAQ)

Q. 写真のバックアップに、外付けHDDとSSDはどちらを買うべきですか?
A. 貯めるのが目的なら外付けHDDです。1TBあたりの単価はHDDが約4,750円、ポータブルSSDが約27,500円(執筆時点)と大きな差があり、同じ予算で守れる写真の量がまるで違います。SSDを選ぶのは、持ち運ぶ場合と、動画編集などで速度が作業時間に直結する場合だけで十分です。
Q. 外付けHDDは何TBを買えばいいですか?
A. スマホ写真を1枚5MBとして計算すると、4TBで約80万枚、6TBで約120万枚が目安です。ただし表示容量は4TBで約3.6TBになり、実用上は8割程度で買い足しを考えます。写真が中心で、いま使っている量が2TB前後までなら4TB、動画も貯めるなら6TBが目安です。迷ったら6TBです。この記事で比べた4TB・6TB・8TBのなかでは、1TBあたりの単価も6TBがいちばん安くなります(他社・他容量まで含めた最安という意味ではありません)。
Q. WindowsとMacの両方で使いたいのですが、フォーマットは何にすればいいですか?
A. exFATにしてください。NTFSはmacOSでは読み取り専用となり書き込めません。市販の外付けHDDの多くはNTFSで出荷されるため、データを入れる前に再フォーマットするのが確実です。MacのTime Machineに使う場合はAPFS/HFS+が必要で、exFATでは指定できません。なおexFATは更新記録(ジャーナル)を持たないため、その1台を唯一のコピーにしないでください。
Q. NASのバックアップ先に外付けHDDを使うとき、フォーマットは何がいいですか?
A. SynologyのDSMからそのままフォーマットできるext4が扱いやすい一方、ext4のディスクはWindows PCに直挿ししても中身を読めません。NASが完全に故障した状況でPCから直接取り出したいなら、NTFSやexFATを選ぶという判断もあります。ただしHyper Backupの複数バージョンのバックアップは独自形式(.hbk)で保存されるため、NTFSにしてもPCに挿すだけでは開けません。単一バージョンを選べば、Synologyの説明どおりデータは元の形式とフォルダ構造のまま保存され、PCから直接開けます(そのかわり最新の1世代しか残りません)。フォーマットとバックアップ方式はセットで決めてください。
Q. NASがあれば外付けHDDは要りませんか?
A. 逆で、NASがある人ほど1台持つ価値があります。RAIDはHDD1台の故障に耐える仕組みで、本体の故障・誤削除・ランサムウェア・盗難・火災は防げません。外付けHDDへの定期バックアップが3-2-1ルールの「2つ目の媒体」にあたります。
Q. 外付けHDDを家族みんなで共有できますか?
A. 単体ではできません。USBでつないだ1台のPCからしか使えないのが基本です。PCのフォルダ共有で他端末から覗くことは可能ですが、そのPCの電源を切ると使えなくなります。常時共有や外出先アクセスが目的ならNASが適しています。
Q. 外付けHDDの寿命はどれくらいですか?
A. 一般的な交換目安は3〜5年です。異音・認識が不安定・コピーが極端に遅い・特定ファイルが開けない、といったサインが出たら、修理を検討する前にデータのコピーを最優先してください。メーカー保証は本体を交換しますが、データは戻りません。

まとめ:写真は「2か所に置く」が正解

この記事の要点

  • 写真・動画を貯めるなら据え置き型の外付けHDD迷ったら6TB(23,000円前後)。写真が中心で、いま使っている量が2TB前後までなら4TB(19,000円前後)。表示容量は4TBで約3.6TB、実用は8割の約2.9TBで見込みます
  • SSDは持ち運び・作業用に限定。2TBで55,000円前後と、貯める目的ではHDDに勝てません
  • NASを持っているなら外付けHDDを1台。RAIDでは防げない故障・誤削除・盗難・火災に備える3-2-1ルールの「2」を担います
  • フォーマットは用途で決める。Windows専用ならNTFS、Mac併用ならexFAT、NAS専用ならext4。ext4はPCで直接読めず、Hyper Backupの複数バージョンも独自形式なので、PCから直接開きたいならNTFS+単一バージョンです
  • 寿命は3〜5年。壊れる前提で2か所にコピー。保証は本体を交換しますが、データは戻りません

外付けHDDでできるのは「もう1つのコピーを持つ」ことです。それだけで、写真が消える原因のかなりの部分は防げます。今日やることは1つ——写真フォルダを、いま手元にある空きストレージへ丸ごとコピーしてください。買うのは、そのあとでも間に合います。

そのうえで、家族全員の写真を1か所に集めたいなら次に読むのは外付けHDDとNASの違いです。方針が決まったら、NASとは?初心者向けガイドスマホ写真のNAS自動バックアップへ進んでください。